
午後になると異様に眠い。
会議中に頭が働かない。
食べた直後は元気だけど、そのあとドッと疲れる――。
こうした状態、もしかしたら「血糖値クライシス」が起きているのかもしれません。
血糖値クライシスとは、食後の急激な血糖値上昇とその反動による急降下によって起こる、体と脳の機能低下の状態です。
疲れやすさ、集中力の低下、イライラ、さらには将来的な生活習慣病にもつながる重要なサイン。
この記事では、そんな血糖値クライシスがなぜ起きるのか、その原因と対策について詳しく解説していきます。
血糖値クライシスとは何か?
私たちの体は、食事をとると血液中の糖(グルコース)が増加し、それをエネルギーとして使います。
このとき、血糖値が一気に上がると、体はそれを下げるために「インスリン」というホルモンを大量に分泌します。
すると今度は逆に、血糖値が急降下。
このときに起こるのが「低血糖状態」です。
この「血糖値の乱高下」によって、
- 強い眠気
- 疲労感
- イライラ
- 思考力の低下
などが起こる現象を血糖値クライシスと呼びます。
30代男性にとってこれは、日常のパフォーマンスを削る静かな敵です。
血糖値クライシスを引き起こす5つの原因
① 朝食を抜いて、空腹状態で昼にドカ食いする
朝を抜くと血糖値は下がりきった状態。
この状態で昼に糖質の高いものを一気に食べると、血糖値は急上昇し、インスリンが過剰に分泌されます。
結果、午後には血糖値が急落し、以下のような症状が。
- 異様な眠気
- 倦怠感
- 仕事のミスが増える
朝食は「食べないと太らない」ではなく、食べないと血糖値の乱高下が起きやすくなるのです。
② 精製された白い炭水化物(白米・パン・パスタ)のとりすぎ
白米や食パン、うどんなどは消化吸収が早く、血糖値を一気に上げます。
特に「単品食い」が危険。
例)
- ラーメンだけ
- パスタだけ
- 白米+ふりかけ
これらは「糖質オンリー」の食事になりがちで、血糖値が急上昇→急降下しやすい構造。
対策としては、
- 玄米や全粒粉パンに切り替える
- 野菜やタンパク質を先に食べる(ベジファースト)
などが効果的です。
③ 甘い飲み物・間食が習慣化している
缶コーヒー、エナジードリンク、ジュース。
これらは「液体で入る高GI(血糖上昇指数)の糖質」で、急激に血糖値を跳ね上げる代表格です。
また、
- 午後のチョコレート
- デスクのグミや飴
なども、仕事の集中力を上げるどころか、その後の血糖値クラッシュで逆に効率を下げます。
一時的に脳がシャキッとする感覚は、「砂糖酔い」に近い錯覚にすぎません。
④ 運動不足と睡眠不足
血糖値をコントロールする能力は、筋肉量と睡眠の質に大きく左右されます。
- 筋肉は糖を取り込む役割を果たすため、運動不足だと血糖値が下がりにくい
- 睡眠不足はインスリンの働きを鈍らせ、血糖値コントロールが乱れる
つまり、デスクワーク中心・寝不足・ストレスまみれの生活は、血糖値クライシスを加速させる最悪の環境です。
⑤ アルコールや喫煙などの生活習慣
アルコールは一見、血糖値を下げるように見えますが、実はその反動で低血糖状態を招きやすくなります。
また、喫煙はインスリンの感受性を悪化させ、血糖値の安定性を破壊する要因です。
どちらも「毎日の習慣」として蓄積すると、血糖値のバランスを完全に壊してしまいます。
血糖値クライシスの怖さは“気づかれない”こと
「糖尿病予備軍」になっている人の多くは、自覚症状がありません。
しかし血糖値クライシスの症状はすでに出ていることも――。
- 「最近、集中できない」
- 「午後は常にだるい」
- 「些細なことでイライラする」
- 「食後すぐに眠くなる」
これらはすべて、血糖値の乱高下による“軽度の脳疲労”のサインかもしれません。
さらに放置すると、
- 生活習慣病(糖尿病・高血圧)
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 精神面の不安定化(うつ・不眠)
などへと進行する可能性もあるのです。
血糖値を安定させる5つの習慣
- 朝食をしっかり取る(特にタンパク質)
- 食事は「野菜→たんぱく質→炭水化物」の順で
- 甘い飲み物は避け、間食はナッツやゆで卵に
- 一日15分のウォーキング、または軽い筋トレを
- 6.5時間以上の睡眠を毎日確保する
血糖値を安定させることは、頭が冴える・疲れにくくなる・感情が安定する・痩せやすくなるなど、想像以上に多くのメリットがあります。
おわりに:血糖値を制する者は、30代を制する
血糖値の乱れは、「老化の始まり」とも言われています。
だるさ、集中力の低下、疲れやすさ――それを「年のせい」にしていませんか?
でも本当は、毎日の選択次第で血糖値はコントロールできるのです。
血糖値クライシスを避けることは、
- 健康への第一歩であり
- 若さを保つ戦略であり
- 仕事・恋愛・人生すべての土台づくりです。
明日からではなく、今日の食事から見直していきましょう。
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