【恐怖の病気⑨】ギャンブル依存症──気づいた時には、すべてを失っている

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「たまの楽しみだから」

「勝てば取り返せる」

「自分はハマらないタイプ」

そう思っていたのに、気づいたら毎月の給料が消えている。

借金が増えている。

家族に嘘をついている。

ギャンブル依存症は、本人の意思では止められない「心の病気」です。

この記事では、ギャンブル依存症の怖さと実態、30代男性が陥りやすい理由、そして抜け出すための方法を、実例とともにお伝えします。

ギャンブル依存症とは何か?

病名がついている「依存症」

ギャンブル依存症は、正式には「ギャンブル障害(Gambling Disorder)」と呼ばれ、WHOや厚労省が“治療が必要な病気”として認定している精神疾患です。

特徴は以下のようなものです:

  • 勝っても負けてもやめられない
  • 借金してでも続けてしまう
  • 家族や仕事よりもギャンブルを優先してしまう
  • 負けを取り返そうと、さらに深くハマる
  • ギャンブルをしていないときは、イライラ・落ち着かない

つまりこれは、“意志が弱い”のではなく、脳の報酬系が狂ってしまっている状態です。

ギャンブル依存症は「時間・お金・信用」を蝕む

ギャンブル依存が進行すると、以下のような現象が起こります:

失うもの内容
お金給料が消える、貯金ゼロ、借金地獄、闇金へ
時間丸一日パチンコ屋、仕事の遅刻・欠勤
信用家族・恋人・友人・職場ならの信用を喪失
精神罪・罪悪感・喪失感、そして鬱へ
健康生活リズムの崩壊、外食・運動不足

特に30代は、家庭やキャリアにおいて“基盤を築く時期”。

ここで依存症にハマると、取り返しのつかない損失になります。

なぜ30代男性がギャンブルにハマるのか?

ストレスの多さと、逃避手段としてのギャンブル

  • 昇進・結婚・子育てなど、人生の節目でプレッシャーが増える
  • 会社や社会の中でのストレスを抱え込みやすい
  • 趣味や仲間とのつながりが減っていく
  • 「自分だけの時間」が減っていく

そんな中で、ギャンブルはすぐに快感(ドーパミン)を得られる逃避手段となります。

特にパチンコ・スロット・競馬・スマホのオンラインカジノなどは、「小さな額で始められる」「勝てるかもしれない」という“錯覚”が強く、中毒性が高いのです。

SNSやYouTubeが煽る「稼げる幻想」

最近では、ギャンブル系YouTuberやSNSでの「万枚報告」「一発逆転演出」などが拡散され、

「もしかして自分も…」という勘違いを生み出しやすくなっています。

ですが、勝ち報告の裏で何人が負けているかを、冷静に考えたことはあるでしょうか?

ギャンブル依存症の末路

以下は、実際にあった30代男性のケースです:

ケース1:借金800万円で自己破産

「最初は週末にスロットをやるだけだった。でも、勝った時の興奮が忘れられず、借金してでも打ち続けた。カードローン、消費者金融、最後は闇金…」

ケース2:離婚・子どもとの別居

「妻にバレないように嘘を重ねていた。でも、家計が回らなくなり、ついにバレた。『あなたとはもう暮らせない』と言われ、離婚。今は子どもにも会えていない。」

ケース3:仕事を失う

「パチンコ屋にいる時間が増え、遅刻や欠勤が目立った。上司に呼ばれても『風邪です』と嘘をついていたが、バレて解雇された。」

ギャンブル依存の先にあるのは、“一時の快楽”ではなく、“長期の後悔”です。

抜け出す方法:それは「一人でやらない」こと

1. 自分が依存症であることを認める

依存症の回復は、まず自覚から始まります。

「俺は依存していない」「まだコントロールできてる」という思い込みが、最も危険です。

「生活の中でギャンブルの優先度が高くなっているか?」

「ギャンブルをやめたいのに、やめられないか?」

自分に問いかけてみましょう。

2. 家族・友人に相談する

恥ずかしい、情けない、怒られる…。

そう思って誰にも相談できない人が多いですが、孤独は依存を深める最大のリスクです。

信頼できる家族・友人に、「本気でやめたい」と伝えること。

そこで初めて支援の輪が広がります。

3. 専門の支援を受ける

ギャンブル依存症には、専門のカウンセリング・回復支援団体があります:

  • 全国ギャンブル依存症家族の会
  • 自助グループ(GA:ギャンブラーズ・アノニマス)
  • 心療内科・精神科での治療
  • 行動療法や認知行動療法(CBT)

治療は、依存の根本原因(ストレス・孤独・自尊心の低さ)を解きほぐすことから始まります。

これから大切なのは「何に快楽を感じるか?」

ギャンブルに代わる「喜び」を、自分で育てる必要があります。

  • 運動や筋トレ:エンドルフィンで自然な快楽を
  • 読書や自己投資:成長実感による自己肯定感
  • 家族との時間:安心と愛情の再確認
  • 資産形成:数字が増える“本物の快感”を

短期快楽(ギャンブル)ではなく、長期充実(人生の土台)へ。

この視点の切り替えが、依存脱却の核心です。

まとめ:人生を、作る側に戻ろう

ギャンブル依存症は、人生を静かに壊していく病気です。

でも、早く気づき、手を打てば、まだ間に合います。

ギャンブルに奪われた時間も、お金も、人間関係も、

一歩ずつ取り戻すことは可能です。

そして、忘れないでください。

ギャンブルは「運任せのゲーム」ですが、あなたの人生は、あなた自身が作るものです。

人生を、作れ。

快楽ではなく、信頼と誇りを積み上げる生き方を。