
「インデックス投資は、見ない・動かない・焦らない」──投資の鉄則です。
なのに、毎朝スマホ片手に楽天証券のアプリを開いてしまう。夜寝る前にもSBI証券をタップしてしまう。
「今日の資産、どうなったかな…?」
わかってます。見たところで資産は増えません。
それでもやめられない。この“評価額チェック依存”という名の習慣。
この記事は、そんなインデックス投資家たちの矛盾と安心と愛おしさの記録です。
仲間はきっと、あなたの他にもいる。
意味ないのに見てしまうのは、投資の“感情”に飢えているから
インデックス投資って、「基本は放置でOK」と言われます。
でも逆に言うと、刺激がなさすぎてヒマなんですよ。
- 毎月自動積立
- 銘柄変更ナシ
- 売るタイミングも基本ナシ
やることがない!
だから「せめて動いている証拠を見たい」という心理が働くのです。
それが「評価額チェック」です。
スマホを開けば、昨日より上がった、下がった、円安だ、ナスダックは…
こうした小さな変化こそが、投資の喜怒哀楽を与えてくれる。
ゲームでいうなら「オートバトルなのに毎回戦闘結果だけ確認するタイプ」
戦ってるのは市場。でも、戦果は気になるんです。
「上がって安心」「下がっても言い訳」で、結局中毒になる
評価額チェックには、都合のいい解釈という麻薬がついてきます。
- 評価額が上がってる → 「やっぱ俺、見る目あるな」
- 評価額が下がってる → 「今が買い時。むしろラッキー」
- 横ばい → 「安定してる!市場に信頼されてる証拠」
何が起きても自分に都合よく変換するスキルが、
インデックス投資家には標準装備されています。
つまり、見れば見るほど「自信」や「安心」が得られるように、
脳が勝手に報酬回路をつくってしまうんです。
これはもう、依存症です。
でも悪い依存じゃないから、誰もやめようとしない。
“見ちゃうけど、売らない”
それがインデックス投資界の健康的な中毒。
なぜそんなに見たい?──その奥にある“自己効力感”への渇望
もう少し深掘りしましょう。
なぜ、我々はそこまで評価額を確認したがるのか。
それは、「自分の人生が、ちゃんと前に進んでいる証拠が欲しい」からです。
- 給料は毎月同じ
- 会社の評価もパッとしない
- 日々の生活に変化も成長もない
でも投資の評価額だけは、上下動というリアルな“変化”を見せてくれる。
この数字の動きが、生きてる実感と手応えをくれるんです。
特にインデックス投資は、積立額×年利で「着実に資産が増える設計」になっているので、
見るたびに「ちゃんと資産形成できてる」という満足感がある。
今日の自分が、未来の自分をちゃんと助けてる──
そう思える唯一の数字が、評価額なんです。
それでも、見すぎると“落とし穴”もある
とはいえ、評価額を毎日見すぎると、落とし穴もあります。
- 下落局面で不安が増す
- 毎日±10万円の変動でメンタルが振り回される
- 一喜一憂がクセになり、精神的に疲れる
短期的なブレに反応しすぎると、長期投資の本質を見失う危険があります。
とくにリーマンショック級の暴落が来たとき、
見てばかりいた人ほど不安が大きく、狼狽売りしやすくなります。
「長期投資の敵は、相場じゃなくて“自分のメンタル”」
これはガチです。
だからこそ、評価額チェックは“見ても動かない”という握力が必要。
まとめ:見てもいい。売らなければ、それでいい。
評価額を見ること自体は悪くありません。
むしろ、それで資産が「育っている実感」を得られるなら、見るべきです。
ただし条件はひとつ。
どんなに上がっても、売らない。
どんなに下がっても、投げ出さない。
それさえ守れれば、
評価額チェックは、あなたの投資生活を“前向きに彩るエンタメ”になります。
インデックス投資の評価額は、未来の自分が幸せになるグラフです。
今日も、ちょっとだけアプリを開いて、ニヤッとする。
それが、正しい楽しみ方かもしれません。