【恐怖の病気⑤】胃がん──それは静かに忍び寄る“死角のがん”

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胃がんは、胃の内側の粘膜から発生する悪性腫瘍です。

日本では長年、がん死亡率の上位を占めてきましたが、早期発見できれば治療成績が良いことでも知られています。

しかし、問題はそこにあります。

初期にはほとんど症状が出ないため、気づいたときには進行しているケースが少なくないのです。

なぜ胃がんは怖いのか?

① 痛みがないまま進行する

胃がんの厄介な点は、初期には痛みや不快感がほとんどないことです。

「食欲が少し落ちた」「胃がもたれる」程度では、忙しい30代・40代の男性は病院に行こうとは思いません。

結果として、「ステージⅢ」「ステージⅣ」で見つかることも珍しくないのです。

② 発見が遅れると治療が過酷になる

進行した胃がんの治療には、胃の全摘出手術が必要になることがあります。

胃を失うということは、食生活が激変するということです。

  • 一度に食べられる量が極端に減る
  • 体重減少、栄養失調
  • Dumping症候群(食後の急激な血糖変動によるめまいや倦怠感)

など、術後のQOL(生活の質)にも大きな影響を及ぼします。

③ 働き盛りに襲いかかる「ピロリ菌の罠」

日本人の胃がんの多くは、「ヘリコバクター・ピロリ菌」が原因とされています。

ピロリ菌は、幼少期に感染し、何十年もかけて胃の粘膜を傷つけ、やがてがん化します。

つまり、今は無症状でも、リスクはすでに始まっているということです。

胃がんの恐怖は、家庭にも及ぶ

30代・40代の男性にとって、病気による休職や入院は家族にとっても大きな負担になります。

特に胃がんの治療は長期にわたることがあり、家計や子育て、精神面にも深刻な影響を与えます。

自分だけの問題ではないことを、私たちはもっと真剣に受け止める必要があります。

胃がんを予防するには?

胃がんの予防は、「がんになる前の対策」が鍵です。

ピロリ菌の検査と除菌

まず一番重要なのが、ピロリ菌の検査です。

一度も調べたことがない方は、すぐにでも医療機関で相談してみてください。

陽性であれば、除菌治療を受けることで胃がんの発症リスクを大きく減らすことができます。

定期的な胃カメラ検査

バリウム検査よりも、胃内視鏡(胃カメラ)が推奨されます。

特にピロリ菌感染歴がある方、家族に胃がん経験者がいる方、喫煙・飲酒の習慣がある方は、毎年の検査をおすすめします。

食生活の見直し

  • 高塩分の食品(漬物・加工肉など)の過剰摂取を避ける
  • 野菜や果物を積極的に摂取する
  • 喫煙・過度な飲酒をやめる

こうした日々の積み重ねが、未来のリスクを着実に下げてくれます。

「自分は大丈夫」が一番危ない

胃がんは、「真面目な人ほどかかりやすいがん」と言われることもあります。

  • ストレスをため込みやすい
  • 忙しくて検診を後回しにしがち
  • 食事を早食いしがち

…これ、思い当たる節はありませんか?

人生を、作れ。

そのためにはまず、「自分の身体に真剣に向き合う」ことが必要です。

まとめ:胃がんは防げる時代にある

昔は「胃がん=死」という時代もありました。

しかし今は、予防・早期発見ができれば、命を守ることができる病気です。

大切なのは、「気づいた今」から動き出すこと。

検診を受ける。ピロリ菌のチェックをする。食生活を少し変える。

その一歩が、未来の自分を救います。