
「もっと自分で考えて動け」
「当事者意識を持て」
「言われなくても先回りしろ」
こんな言葉が、毎日のように飛び交う職場。
でもそれ、すべて“企業が得をする努力”ではありませんか?
今、労働者に求められるスキル・責任・スピードは、かつてないほど高くなっています。
そのインフレした“労働力”で利益を上げているのは誰か?
この記事では、
頑張っても報われない労働者の裏で、
笑っている“資本家”の構造について掘り下げます。
労働力のインフレとは「努力の水準が無限に上がること」
かつての会社員は、
「指示されたことを正確にこなす」だけでも評価されていました。
しかし今は違います。
- 自律性
- 主体性
- マルチスキル
- チームビルディング
- 感情マネジメント
- タイムマネジメント
- イノベーション意識
これらをすべて兼ね備え、しかも残業せずに結果を出すことが「普通」になっています。
これはもはや、“労働のインフレ”状態。
でも、給料は? …大して変わっていない。
むしろ「やれる人ほど使い倒される」構造になっています。
企業のコストカットは「労働者の成長」で補われる
経営側は常にこう考えています:
少ない人員で
より多くの成果を出すにはどうすればいいか?
その答えが、“労働者一人ひとりのパフォーマンス向上”です。
つまり、
- 教育コストをかけずに
- 給料を上げずに
- 勝手にスキルアップしてくれて
- 勝手に改善してくれる
そんな「理想の社員」を大量生産できたら、企業は潤います。
だからこそ「自分で考えて動け」と言い続けるんです。
労働者が頑張るほど、資本家が儲かる
では、その結果として誰が儲かっているのか?
答えはシンプルです:
資本家(株主・経営者)です。
- 労働者の努力 → 売上アップ
- 労働者の無償残業 → 経費ダウン
- 労働者の精神論 → コストカットの免罪符
結果として、企業は利益を出し、
株主配当は増え、役員報酬は上がる。
一方で、現場の労働者には「ありがとう」だけ。
給与は据え置き、仕事は増え続ける。
…これ、報われていると言えますか?
「やる気搾取」に気づかないと、ずっと食い物にされる
「自分の成長のために頑張ってる」
「評価されたいから努力してる」
もちろん、それ自体は素晴らしいことです。
でもその“やる気”が、企業にとって都合のいいタダ働きになっていないか?
- 無償で提案
- 勝手に改善
- 有休を遠慮
- 休日も学習
…これ全部、企業がタダで得してる部分です。
努力が美徳になっているうちは、
資本家は笑いが止まりません。
まとめ:「頑張るのは自由。でも、利用されるな」
あなたが今日も頑張っているその努力。
もしそれが「給料にもならず」「感謝もされず」「誰かの利益に吸われている」としたら──
ちょっと立ち止まって考えてみてください。
誰のために努力してるのか?
その努力は“報われる構造”になっているのか?
資本主義社会では、
働くだけでは報われません。
“構造”の中でどの立場にいるかで、得をするかどうかが決まります。
頑張るな、とは言いません。
でも、搾取されるな。