「あの件、どうなった?」で伝わる人と伝わらない人の違い

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職場でよくあるやり取りのひとつが、上司からのこんな問いかけです。

「あの件、どうなった?」

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

この質問、主語が無いのです。

「あの件」がどの件を指しているのか、文面だけではわかりません。

主語が無いのは上司の落ち度。でも…

まず前提として、「あの件」とだけ言う上司の伝え方は確かに不親切です。

複数の案件を抱えている部下にとっては、「どの件を指しているのか?」と迷って当然です。

しかし、それをそのまま「何の件ですか?」と返してしまうと、相手にこう思われかねません。

  • 「この人は全体を把握していないのか?」
  • 「優先度や重要度の判断ができていないのか?」

つまり、ただ正直に聞き返すだけでは、「頭が悪い」と受け取られてしまう可能性があるのです。

「伝わる人」はどう対応するか

ここで差がつくのが、推測力です。

優秀な人は「あの件」と言われた瞬間に、頭の中で瞬時に候補を整理します。

  • 最近上司と話した案件は何か?
  • まだ解決していない案件はどれか?
  • 自分に任せられている案件の中で、上司が気にしそうなのはどれか?
  • 重要度や期限が近いものはどれか?

これらを考えたうえで、こう確認するのです。

「◯◯の件でしょうか?」

このひとことだけで、「この人は全体を把握し、優先度を意識して動いているな」と伝わります。

伝わる人と伝わらない人の差は「思考の前倒し」

伝わらない人は、「相手が説明してくれるまで待つ」姿勢です。

一方、伝わる人は「相手が言いたいことを先回りして考える」姿勢です。

仕事において評価されるのは、後者です。

なぜなら、上司にとっては「この人は言わなくても理解してくれる」という安心感につながるからです。

まとめ

「あの件、どうなった?」という主語の無い質問は、上司の伝え方としては不十分です。

しかし、それに対してただ「何の件ですか?」と返すのでは成長できません。

  • 状況を整理する力
  • 優先度を判断する力
  • 推測して確認する力

この3つを身につけることで、あなたは「伝わる人」になれます。

仕事の現場で信頼されるかどうかは、こうした小さなやり取りで決まるのです。