
部下のやる気が出ない。
指示を出しても動かない。
報告・連絡・相談がうまく回らない。
――それ、マネジメント層の「言葉」に問題があるかもしれません。
管理職は「言葉」で人を動かす仕事です。
だからこそ、何気ない一言が信頼を失わせたり、チームの空気を悪くしたりすることも珍しくありません。
今回は、マネジメント層が無意識にやってしまいがちな“言葉のワナ”と、すぐに使える改善のヒントを紹介します。
1.「どうなってる?」が“詰め”に聞こえるワナ
進捗を確認したいだけなのに、
「で、あの件どうなってる?」と聞くと、部下は構えてしまいます。
💬 部下の心理:
「怒られるのか?」「進んでないと責められる?」
➡️ 結果、正確な報告が遅れたり、隠されることも。
🟩 改善例:
「進み具合どう?困ってることある?」
→ “確認”ではなく“サポート”の姿勢を示すことが、安心と信頼につながります。
2.「任せるよ」が“丸投げ”に聞こえるワナ
信頼して仕事を任せたつもりでも、
具体的な指針や目的が示されていないと、部下は戸惑います。
💬 部下の心理:
「ゴールが分からない」「自由すぎて逆に怖い」
🟩 改善例:
「目的は〇〇。やり方はあなたのやりやすい方法で」
→ 任せる範囲と目的をセットで伝えることが重要です。
3.「なんでこうしたの?」が“責め”に聞こえるワナ
意図は「判断の理由を知りたい」だけなのに、
“なんで”という言葉には、否定のニュアンスが含まれがち。
💬 部下の心理:
「ミスを責められてる?」
「正直に言わない方がいいかも…」
🟩 改善例:
「どういう判断で進めた?」
「何を優先して考えた?」
→ “理解したい”という姿勢を前面に出すことで、対話の質が変わります。
4.「みんな言ってる」が“責任逃れ”に聞こえるワナ
曖昧な“みんな”は、信用されにくいフレーズです。
本当のところを聞いても「誰が?」となり、不信感を招く可能性があります。
💬 部下の心理:
「陰口?」「上司は自分の意見を持ってないの?」
🟩 改善例:
「私自身はこう思った」「率直に感じたことを言うと…」
→ 主語を“自分”にすることで、誠実さと責任感が伝わります。
5.「頑張って」が“放任”に聞こえるワナ
励ましたつもりが、何をどう頑張ればいいのか分からず、
結局、何も変わらないまま終わってしまうことも。
💬 部下の心理:
「で、何をすればいいの?」
「方向性が分からない…」
🟩 改善例:
「このタスクを今日中にここまで進めてくれると助かる」
→ “何を・いつまでに・どの程度”やるべきかを明確にすることがカギ。
まとめ:言葉は道具。信頼は技術。
マネジメント層の言葉は、「情報」ではなく「空気」を動かします。
- 気を使ったつもりが、不信感を生む
- 励ましたつもりが、プレッシャーになる
- 任せたつもりが、放置に聞こえる
こうした“ズレ”が、チームの温度差を生む要因です。
大切なのは、言葉に「意図」と「誠実さ」を込めること。
そして、常に「どう伝わったか」に敏感であること。
言葉は人を動かす最大のツール。
だからこそ、マネジメント層には、“戦略的で優しい言葉選び”が求められるのです。
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